海外就職したいけど、どの国で就職できるかわからない…という人に向けて、各国の日本人就職市場にまとめた記事です。
日本を出て、シンガポール、タイ、ドイツで就職して働きましたが、その就職活動や各国で働く友人から聞いた情報をまとめて公開していきます。
もし、興味を持った国があったら、まずその国に行ってみてください。その国を見ることはなによりも大事です。
東南アジア
多くの日本企業が進出しており、日本人にとって多くのチャンスがある地域です。発展途上国のイメージがあると思いますが、行ってみると想像以上に都会だと感じる反面、住んでみると発展途上国の一面が見えてくると思います。
タイ
- 就職難易度:★
- 日本人向け求人数:★★★★★
- 職種の多様性:★★★★★
- 要求スキル、経験:★★★
- 住みやすさ:★★★★★
首都バンコクには多くの日本企業が進出しており、求人も多数あり、求められている職種も多いです。その求人の多さを利用して、私もタイ就職の際にIT職にキャリアチェンジしました。(元は電気系エンジニア)
日本人にとって住みやすく、住んでて楽しい大人気の都市です。日本人が多すぎて、就職市場はレッドオーシャンではありますが、求人数の多さがそれを感じさせません。日本人が多く、比較対象も多いため、多少スキルや経験を求められる傾向があると思います。
近年は物価が上がってきているので、それほど贅沢な生活はできなくとも、まだ日本よりはいい生活ができます。
シンガポール
- 就職難易度:★★★★
- 日本人向け求人数:★★★
- 職種の多様性:★★★
- 要求スキル、経験:★★★★★
- ビザ取得難易度:★★★★★
多国籍、都市国家。主要言語は英語。アジアの経済ハブ。世界最高水準の物価。世界の有名外資企業多数進出などなど、挙げればきりがないが、大人気国。日本だけでなく、世界でも人気。東南アジアでは働くの抵抗あるというすかしたヨーロピアンもシンガポールなら働いてみたいという。
日本企業も結構進出しており、日本人向け求人もそこそこあり、職種もけっこう種類がある。しかし、ライバルも多く要求されるスキル、経験はかなり高い。しかも、外国人向けビザ取得が年々難しくなっており、さらに内定を取るのは難しくなってきている。
私の場合、エンジニア経験を買ってもらい就職できましたが、大卒でなかったことでビザ取得難易度が上がり、厳しい就職活動でした。結果的に、Sビザという、少し特殊なビザでなんとか就職することができました。
フィリピン
- 就職難易度:★★
- 日本人向け求人数:★★
- 職種の多様性:★★
- 要求スキル、経験:★★
- 求められる適応力:★★★★★
英語を主要言語として採用しており、英語留学にもおすすめの国フィリピン。私も、フィリピン留学中に就職活動をし、何社か面接に行きました。
意外と日本企業は進出していなく、私が探した時は大手メーカーの工場(自動車企業等)、ITベンチャー、コールセンター等がメインの選択肢でした。求人数は多くなく、職種もそれほど多様性はありません。
フィリピン留学や英語環境から、まったく人気がないわけでもないので、意外とライバルが多いため、多少のスキルや経験は求められます。そのため、実はタイやベトナムと比べて就職活動は難しいです。もちろんシンガポールほどではありませんが。
ベトナム
- 就職難易度:★
- 日本人向け求人数:★★★★
- 要求スキル、経験:★★
- ビザ取得のめんどくささ:★★★★
これまで人気だったタイにとって代わって、就職市場で人気上昇中のベトナム。物価が上昇し、景気的にも停滞しつつある、タイに代わって、日本企業の投資が増えているためです。特にIT系のオフショア先として期待されており、多くのIT求人があります。
日本人向けの求人は増えていっていますが、タイよりはライバルが少ない環境だと思われます。私が友人に東南アジアで就職を薦めるのであれば、タイ、ベトナムを推します。
余談ですが、ビザ取得が非常に手間がかかるそうです。用意する書類が多く、日本で事前にかなりの書類を用意したそうです。(ベトナムで就職した友人談)
インドネシア
- 就職難易度:★
- 日本人向け求人数:★★★
- 人気:★
- 成長期待度: ★★★★
ベトナムと同様、日本からの投資が増えており、求人需要もあるはず…が、あまりインドネシアで就職といった話は入ってこず、なんか人気がない国のイメージ。イスラム教のイメージでしょうか…
人口が多く、世界的にも期待されているマーケットなので、今後の成長が期待できるはずなので、ぜひ挑戦してほしいと思う。(自分も結婚していなければ、挑戦してみたかった…)
マレーシア
- 就職難易度:★★★
- 日本人向け求人数:★★
- 要求スキル、経験:★★★
- 人気:★★★★
マレーシアですが、インドネシアと同じイスラム教の国なのに、かなり日本人から人気があります。やはり英語を主要な言語をしている国だからでしょうか。
私はシンガポールで就職活動をしたときに並行して求人を探しましたが、求人はあまり多くありませんでした。タイやベトナムと比較すると間違いなく少ないと思います。また、人気があるのでライバルも多く、スキル、経験を要求されます。シンガポールほどではないにしろ、実は就職難易度が高い国です。
その他東南アジア国(カンボジア、ラオス、ミャンマー等)
- 就職難易度:★★
- 日本人向け求人数:★★
- 成長期待度: ★★★★
先述の国と比較し、まだまだ発展途上にある国々です。日本からの投資、進出はありますが、これもまだまだ多くはありません。
企業はやる気がある人材を求めているはずなので、チャンスはあると思います。将来に期待し、挑戦するのもいいと思います。しかし、私が友人に勧めるのであれば、これらの国よりインドネシアを推すと思います。
ヨーロッパ
海外就職を考えたなら、やはりヨーロッパに憧れるのではないでしょうか。自分もドイツ就職を決めた時は、ついにここまで来たなと思ったものです。東南アジアと比較して難易度は跳ね上がりますが、ノーチャンスではありません。
ドイツ
- 就職難易度:★★★★
- 日本人向け求人数:★★
- 職種の多様性:★★
- 要求スキル、経験:★★★★
- 英語の必要度:★★★★★
就職難易度はシンガポールと同じくらいか、若干難しいかくらいかと思います。
まず、最初の問題が求人数がそんなにないことです。求人はデュッセルドルフ、フランクフルトに集中しており、それ以外の都市では求人はすごく少なくなります。基本的にはこの2都市での就職活動となり、たまに他の大都市や小さい街で求人があります。
要求スキルや経験は高く求められます。その職種に必要な知識や経験 + 最低でもビジネスレベルの英語(ドイツ語だとなおいい)といった感じです。
厳しい条件ですが、逆にこれをクリアできればチャンスはあります。私はシンガポール就職する前にドイツのエージェントから案件を頂き面接までは行けました。但し、この時は英語力不足で不採用となりました。この2年後、シンガポールで経験を積んだ後、ドイツで内定を頂けました。
イギリス
- 就職難易度:★★★★★
- 日本人向け求人数:★
- 職種の多様性:★
- 要求スキル、経験:★★★★★
- ビザ取得難易度:★★★★★
英語の国だし、ドイツより簡単なのでは?と思うかもしれませんが、ドイツよりはるかに難しいです。
その原因が、ビザ取得がおそろしく難しいからです。EUに東ヨーロッパの国が参加してから、英語が通じるイギリスには多くの移民が押し寄せました。公共サービスは人口増に耐えられず、多くの不満が集まった結果、移民を減らしていく政策をとることになりました。
しかし、EUからの移民は制限をかけることができません。結果として、EU以外の国から移民を制限することになり、ビザ取得が難しくなったのです。今では、駐在員ですら就労ビザを取得できないことがあるそうです。
イギリスはEU離脱が決まりましたが、2020年は移行期間。2021年以降でビザが緩和されることがあれば、チャンスは増えそうですが、なかなか簡単にいくとは思えません…
ということで、ノーチャンスではないのですが、求められるのはかなりの高度人材。相当な給与、管理職ポジションなどであればチャンスがあると思います。
オランダ、ベルギー
- 就職難易度:★★★★
- 日本人向け求人数:★
- 職種の多様性:★
- 要求スキル、経験:★★★★★
小国なので、チャンスはないと思いきや、たまに求人があります。求人があり、それと自分の経験がマッチしていれば、英語さえできればチャンスがあります。難易度的にはドイツと同じ程度だと思います。
チェコ、ポーランド、ハンガリーなどの中欧国
- 就職難易度:???
- 日本人向け求人数:★
- 職種の多様性:★
- 要求スキル、経験:???
なかなか情報が入ってくる国ではないのですが、実は仕事があるということを聞きました。一部の日系企業がヨーロッパ内での安い労働力を求めて進出しており、その企業が現地採用日本人を探していることがあるようです。
例外な職種
これまでの格好の日本人就職市場ですが、一部職種での職種の転職は例外としています。なぜなら、この職種はどこでも職を見つけることが容易だからです。
日本食店勤務
- 世界中どこでも日本食店がある
- 日本人求人をよく募集している
- 特に料理人は引く手あまた
シェフ、ウェイター問わず、日本食店では日本人の求人を常に求めています。今、世界中で日本食店は増えています。有名な都市には間違いなくありますし、そうでない都市でも最近は増えてきています。
こういったお店では多少現地語をできる程度で雇ってもらえるので、どの都市でもチャンスは見つけることができます。日本で料理人としての経験があるなら、なおさらです。どこででもチャンスを見つけることができるでしょう。
IT関係(特にプログラマー)
- 世界中で人材が需要過多、供給不足
- 技術があれば、言葉はそこそこでいい
- 他職種と比べて、かなり優遇される
IT関係の需要は世界中で増えており、世界中で人材不足となっています。どこでも人が足りないので、技術さえあれば外国人でも雇いたいという企業は多いです。
私が実際に友人(オランダIT企業勤務)から聞いた話では、あまりに人が雇えないので、会社が中国人とネパール人をプログラマーとして雇ったそうです。最初は、英語もあまりうまくなくコミュニケーションも難しかったが、半年くらいたって、最近では段々とうまくいくようになったと言っていました。
最低限、コミュニケーションをとるための英語は求められますが、他の職種に比べれば、かなり優遇された状況で就職活動が行えると思います。
まとめ
東南アジア、ヨーロッパを中心にレビューしましたが、いかがだったでしょうか?他の地域として、オーストラリアやアメリカ/カナダの就職状況も聞いたことはありますが、基本的に欧米圏の国は難易度が高いです。また、あまり聞いたことはないのですが、中国、韓国、台湾(特に台湾)の東アジアの国では、比較的に簡単に就職活動することができると思います。
もし、その国興味をもったら、まず行ってみることをおススメします。まず行ってみて、現地を知ること、できれば現地で働いている日本人と話してみることが、海外就職の最大の近道だと思います。